📖 詳細解説
見出しは勢いよくても、A→Bの道筋が語られていなければ、それは推測のままです。
誤り:A(出来事) → B(結果)(説明なし)。
正しい読み:Aが先 → どう伝わるか → 他の理由を外す → 「もし無かったら?」で確かめる → B。
この4つを一言ずつ埋めれば、多くの“思い込み”は消えます。
例
見出し:〈SNSで物議→翌週視聴率↓〉
読者の本題:下がった理由は何?
よくあるズレ:物議=原因。
戻した言い方:「同じ時間に別の人気番組の特集があり、リアルタイム視聴がそちらへ流れた。話題化は見逃し配信を増やし、当日の下落の主な理由ではない」と整理します。
戻し方(これだけでOK)
①先に起きたのは?
②どう伝わる?
③他の理由は?
④もし無かったら?
を一言ずつ。
OKの言い方(例):「話題化→検索増→見逃し視聴の流れ。当日は別の人気番組が話題で、主な下落要因はそちらです。」
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🔗 関連する技法
因果のすり替え(Causal Substitution)
実際に存在する因果関係を隠して、記事が用意した「別の理由」に置き換えてしまう書き方。 たとえば「契約期間が満了したから移籍」という事実があるのに、「事務所と対立したから移籍」みたいに、全然違う理由にすり替えちゃうパターン。
逆因果(Reverse Causation)
向きが逆です。本当は B → A なのに、A → B と読ませます。
擬似因果(Pseudo-Causation / 相関因果混同)
一緒に動いた(相関)だけで、原因と結果(因果)に見せる書き方です。
論理の飛躍(Non Sequitur / Jump in Logic)
結論にたどり着くための橋(前提・比べ方・証拠)が抜けたまま、話が一段飛んで着地している状態です。
レッドヘリング(Red Herring/燻製ニシンの虚偽)
本題への質問から話題を横にずらし、別テーマ(人柄・私生活・空気・美談・ファッション等)に切り替えて答えたように見せる手法です。 検証や説明が必要な点から、読者の注意を外します。
過度の一般化(Overgeneralization)
限られた事例や一部の意見を、全体の傾向や真実として扱ってしまう論理的誤り。 小さなデータを「社会全体」「ネットでは」「多くの人が」と一般化してしまうことで、誤った印象や感情を作り出す。