📖 詳細解説
読み終わって「だから何?」が残るときは、途中の橋が見えていません。
誤りの流れ:強い主張 →(橋が無い)→ 大きな結論。
正しい流れ:言葉の意味をそろえる → 同じ土俵で比べる → 数字や事実を出す → 結論。
橋が一本足りないだけで、結論は急に弱く見えます。橋を足すと、同じ主張でも自然に読めます。
例
見出し:〈深夜ドラマが個人5.0%で話題〉
読者の本題:それは深夜帯として高いの?
よくあるズレ:ゴールデン帯9%を引き合いに「実は弱い」と示す。
戻した言い方:同じ深夜帯・同じ指標・直近3作平均を並べ、「平均より+1.8ptで健闘」と示します。
戻し方(これだけでOK)
何を/何と/どう比べてそう言っているのかを一行で足します。
すぐ試す一言:その結論、途中の橋は何?
OKの言い方(例):「深夜帯(個人視聴率)で直近3作平均比+1.8pt。同枠内で上位です。」
この技法について学んだことをシェアしましょう
🔗 関連する技法
因果のすり替え(Causal Substitution)
実際に存在する因果関係を隠して、記事が用意した「別の理由」に置き換えてしまう書き方。 たとえば「契約期間が満了したから移籍」という事実があるのに、「事務所と対立したから移籍」みたいに、全然違う理由にすり替えちゃうパターン。
逆因果(Reverse Causation)
向きが逆です。本当は B → A なのに、A → B と読ませます。
擬似因果(Pseudo-Causation / 相関因果混同)
一緒に動いた(相関)だけで、原因と結果(因果)に見せる書き方です。
因果の飛躍(Causal Leap)
「AがあったからBになった」と言い切るのに、順番(時系列)、つながりの道筋(しくみ)、他の理由(第三要因)、もしAが無かったら?(反事実)のどれかが欠けている状態です。
レッドヘリング(Red Herring/燻製ニシンの虚偽)
本題への質問から話題を横にずらし、別テーマ(人柄・私生活・空気・美談・ファッション等)に切り替えて答えたように見せる手法です。 検証や説明が必要な点から、読者の注意を外します。
過度の一般化(Overgeneralization)
限られた事例や一部の意見を、全体の傾向や真実として扱ってしまう論理的誤り。 小さなデータを「社会全体」「ネットでは」「多くの人が」と一般化してしまうことで、誤った印象や感情を作り出す。