「〜とみられる」
言い切っていないのに、断定の匂いがします。
主語は誰でしょうか。いつの話で、どれくらいの数なのでしょうか。
肝心な基礎情報が置き去りのまま、印象だけが先に走るのがこの手の表現です。
書き手は「断定していない」という安全地帯を確保しつつ、読み手には「ほぼそうらしい」という空気の確信を残します。
ここで一度だけ立ち止まり、「誰が・いつ・どこで・何件分」を自分で置き直してみてください。
たったそれだけで、煙は驚くほど晴れていきます。
たとえば「専門家の間では懸念の声も」——“誰の何件分”かが不明なままでは、重みを判断できません。