本人は言っていない言葉が、見出しに躍った
陸上選手・榎本樹羅さん(24)の浴衣姿が話題になりました。
SNSでは「ギャップが素敵」「浴衣いいね♡」といった好意的な反応が多数。
ところが記事の見出しには、本人の言葉ではない 「めくらないで…」 が並びました。
「めくらないで…」24歳陸上選手、浴衣からのぞく〝驚愕の肩〟に反響!「ギャップが素敵」「浴衣いいね♡」
しかも榎本さん自身が 「何このしょうもない見出し、センスない」 とXで苦言。
問題は、この“勝手に足された言葉”です。
見出しが勝手に作る「余計な匂わせ」
記事は、榎本さんが浴衣を肩までまくって筋肉を見せた写真を紹介。
そこに添えられたのが「めくらないで…」。
しかしこれは榎本さんの発言ではありません。
一見すると軽いジョークに見えますが、「女性の体をのぞき見る」構図を連想させる性的ニュアンスを含んでしまいます。
IFJ 倫理憲章 は「蔑称や偏見的な表現の回避」を求めています。
本人の発言にないフレーズを見出しに据えるのは、この原則に反します。
本人の意思を消してまで「ドラマ」を作るのか
榎本さんは投稿文で「ムキ子、浴衣、筋肉、血管」と自らユーモラスに表現。
つまり「自分の筋肉を楽しく見せる」意図が明確にありました。
ところが記事はそこをなぞらず、勝手に「めくらないで」とラベルを貼ることで、“恥じらい”や“性的なからかい”を強調しました。
これは SPJ Code of Ethics の「正確性・文脈を提供せよ」に反します。
正確さとは事実を伝えるだけでなく、発信者の意図を歪めないことも含まれます。
「本人の抗議」
榎本さんはXで明確に反応しました。
「何このしょうもない見出し、センスない」
https://x.com/jchandayo__03/status/1969199226228711816?s=46&t=Hkzjsq4qfqDd2iGn45R2lQ
記事が付与したフレーズが、当事者にとって不快だったことがはっきり示されています。
ここまで本人が声を上げる時点で、見出しの構造的な問題は明白です。
見出しリライト:記事が本気で伝えるなら
- 元:「めくらないで…」24歳陸上選手、浴衣からのぞく〝驚愕の肩〟に反響!
- 改善案1:榎本樹羅さん、浴衣で筋肉ショット公開 「ギャップが素敵」と反響
- 改善案2:走り幅跳び・榎本樹羅さん、浴衣姿にファン驚き ユーモアあふれる投稿
- 改善案3:「ムキ子」榎本樹羅さん、浴衣姿で筋肉披露 ファンの声は「素敵!」
いずれも本人の投稿やファンのポジティブな反応を軸にすれば十分です。
まとめ:見出しに余計な言葉はいらない
榎本さんが伝えたかったのは、浴衣と筋肉のギャップをユーモラスに楽しむことでした。
そこに「めくらないで」といった余計な匂わせを加える必要はありません。
メディアが本当にすべきなのは、アスリートが見せた強さと遊び心を、まっすぐに伝えることです。
— SmokeOut(憶測の“書き方”を、読み方でほどく)