乃木坂46の記事を読んで、モヤっとした人もいるかもしれません。
強い言葉が先に立って、何だか「もう決まってる」感じ。
でも、ちょっと待って。
元の言葉をそのまま見てみたら、少し違う景色が見えてくるかもしれません。
🔎 先に事実(一次情報の確認)
記事に書いてあることを、そのまま見てみます。
「一世を風靡(ふうび)した…『坂道グループ』に、若者人気における陰りを指摘する投稿がSNSで”万バズ”しています。」
「現役高校生の認知度が低いことを示す動画がSNSで拡散され、グループ全体の衰退論に拍車を掛けています。」
「教室内の生徒たちが全く反応せず戸惑いの表情…」
「5万件以上の”いいね”」
「『お遊戯会』引用が2.8万件以上のいいね」
ここまでが記事で紹介されている”事実”。
ただ、元のポストのURLや、いつ・どう調べたかは書いてありません。
💬 言葉の力は強い——だから、やさしく扱いたい
「『おじさんがターゲット』若者人気に陰りか」
「制服着て鼻声で踊るだけのお遊戯会」
強い言葉は、パッと目に入ります。
でも、多様な魅力(楽曲の世界観・ライブの一体感・ドキュメンタリー性・ファッション連携など)を、一色に塗ってしまう副作用もあります。
記事には、こんな声も載っています。
「『アイドルにボイトレってwww 必要ありません』」
「『歌が下手で良いの。歌がうまけりゃ、それは歌手』」
この”価値観の分岐”は、良いか悪いかは抜きにして、上手い/下手だけでは測れない、推し方の多様性そのものが表されています。
📊 「いいね」は「賛同」じゃない
「2.8万いいね」って、確かにすごい数字。
でも、いいね = 賛同、とは限らない。私たちも、色んな理由でいいねを押します。
- 「バズってる」って記録したくて
- 後で見返すためにブックマーク代わり
- 議論のきっかけになりそうだから
- 皮肉として(批判的な意味で)
- とりあえず流れてきたから
バズってるのは事実。 でも、それが「賛同」かどうかは、また別の話。
また、「5万いいね」は話題性の指標としては有効です。
でも「若者の総意」や「衰退の証拠」には、ちょっと飛びすぎ。
むしろ知りたいのは:
- いいねした人の年齢層は?
- 肯定的?批判的?
- リプライの中身は?
- 継続的な話題?それとも一瞬?
話題になってることと、みんなが賛成してることは、全然違います。
🎤 プロフェッショナルへのリスペクト
記事はこんな声を紹介しています。
「アイドルにボイトレってwww 必要ありません」
「歌が下手で良いの。歌がうまけりゃ、それは歌手」
あくまで擁護として取り上げているこの言葉。
「アイドルだから〇〇でいい」
これはプロフェッショナルに対して、少し失礼ではないでしょうか。
記事はこの声を、あえて取り上げてそのまま載せています。それ自体が、リスペクトを欠いてます。
「アイドルの定義」を勝手に決めて、それに当てはめようとする。そしてその言葉を記事として拡散する。
でも、乃木坂46が何を目指して、どう活動してるかは、彼女たち自身が決めること。
外から「アイドルとはこうあるべき」って枠をはめること自体が記事の後半でも述べられている「多様な発信」と矛盾している行為かと思います。
👀 実態を見てる?
「坂道グループ」って一言で言われるけど、実際のメンバーを見てみると、みんな、全然違うことやってる。
- モデル活動をメインにしてる人
- 映画やドラマに出てる人
- バラエティで独自のキャラを確立してる人
- ソロアーティストとして活動してる人
- ファッション誌で連載持ってる人
- 舞台で主演してる人
枠にはまってない。めちゃくちゃ多様。
「制服着て鼻声で踊るだけ」という言葉を、記事は批判なく引用してるけど、これって、一人ひとりが積み上げてきたキャリアを、一言で消してしまう表現です。
記事が言う「衰退」より、実際には「多様化」が起きてるんじゃない?
グループとしての活動と、個々のメンバーの独自路線。
両方見ないと、実態は見えません。
「坂道グループ」っていう大きな枠で語るより、各メンバーが何してるか見る方が、ずっと正確です。
🧪 1つの教室 → 全国の若者、への飛躍
「教室内の生徒たちが全く反応せず」 →「衰退論に拍車」
1つの教室の反応を、「若者全体」に広げるには、もう少し材料が必要です。
たとえば:
- 他の地域・学校でも同じ反応だった?
- 元のポストは誰が、いつ投稿した?
- 「賛同多数」の”多数”って、誰と比べて?
材料が揃うほど、雰囲気は検証可能な傾向に近づきます。
⚖️ 「AKBと同じ道」って、本当?
「AKBグループもまた…人気低下の波を避けることはできませんでした。」
「このAKBグループの事例は、坂道グループの現状と重ねて語られることが少なくありません。」
歴史比較は、ヒントにはなります。でも、時代も土俵も違えば、結論も変わります。
2025年の行動は、ショート動画→配信→現地の多段階。
比べるなら、同じ時代、同じチャネルで。
🧭 比べるなら、印象より数字
記事は”新世代”として、FRUITS ZIPPER/CUTIE STREET/ME:I/超ときめき宣伝部を挙げて、
「ポップでカラフルな『KAWAII』」
「K-POP風の高いダンスとボーカル」
などと整理しています。
でも、比べるなら、測り方を揃えたいです。
たとえば:
- ダンス:同期率/振付難度/疲労時の安定性
- ボーカル:音程安定度/ハーモニー比率
- 拡散:再生完了率/視聴者年齢分布
定義→測定→提示、の順で置けば、読者は自分の頭で判断できます。
🧩 ラベルより、行動で見る
「金持ってるおじさんをメインターゲットにしてるなら理に適ってる」
“おじさん”も”若者”も、単色じゃありません。多様です。
例えば:
- “おじさん”には:箱推し/音響沼/撮影勢/アーカイブ派がいる
- “若者”には:TikTokで曲だけ知る層/切り抜き視聴層/現地参戦層がいる
行動の単位で分けて見れば、議論はより深まります。
🤝 ”やさしく返す”建設的なひとこと
「いいねが多いのは、話題性として理解できます。ただ、いいね=賛同とは限らないので、リプライの内容や継続性も見られると、より正確な分析になると思います」
「『アイドルにボイトレ不要』という声を無批判に紹介するのは、長年活動してきたプロフェッショナルへのリスペクトを欠くのでは?と感じました」
「『坂道グループ』と一括りにされてますが、個々のメンバーの多様な活動(モデル、女優、バラエティ等)を見ると、むしろ多様化してるように見えます。その視点も入れてもらえると嬉しいです」
「1つの動画だけで全国傾向は言い切れません。複数地域・時系列のデータが見られると安心です」
「比べるなら、軸を合わせませんか?(例:再生完了率/来場年齢分布/ダンスの同期率)」
💭 SmokeOutからの一言
この記事、もしかしたら、「衰退」っていうストーリーを先に決めて、それに合う情報だけを集めちゃったのかもしれません。
- 1つの動画を、全国の傾向に
- いいねを、賛同の証拠に
- 強い言葉を、そのまま引用
- 実際の多様な活動を、スルー
でも、丁寧に見れば:
- 話題にはなってる(バズは事実)
- 価値観は色々(賛否両論)
- 活動も色々(みんな違うことやってる)
- 比べるなら、ちゃんと測りたい
「衰退」じゃなくて「変化」として見ると、全然違う景色が見えてきます。
ファンも、記者も、読者も。
みんなで、もう少しだけ丁寧に見てみませんか?
🔖 透明性ボックス
- 引用は元記事本文から、抜粋しました。
- この記事は、表現や構成を整理するもので、グループやファンの価値判断が目的ではありません。
- “若者離れ”が本当かどうかは扱わず、表現技法と検証の導線に絞って書きました。
- 乃木坂46および坂道グループの長年の活動と、各メンバーの多様なキャリアに、敬意を表します。